医療用かつらとは、神経性脱毛の治療中に、あるいは、抗がん剤などの薬の副作用による脱毛のために着用されるかつらのこと。
当店にも、よくご相談があるので、医療用かつらについて、私どもなりに、選び方のポイントをいくつかあげてみます。
まず、医療用といっても基本的には、①フィット感②ヘア・スタイル③耐久性④金額、など選ぶポイントは通常と変わりませんが、
°使用期間が比較的短期である
°自毛の状態(脱毛の部位、量)が一定でない
°その他個別の事情(もともとの毛量、在宅中に使用、入院中に使用、外出時に使用など)
を考慮して、絞り込んでいきます。また、基本的な選ぶポイントのうち、②ヘア・スタイル、④金額にやや重点を置いて、似合うかつらを探します。通常は①フィット感がとても重要ですが、「医療用」としてご利用になる方は、脱毛状況の変化、再発毛により、頭のサイズが大きく変化するため、オーダーメイド品なら、ネットに伸縮性のある素材を選び、既製品なら、やや大きいサイズをおすすめいたします。
③耐久性についても、通常は大切なポイントの一つですが、薬の副作用による脱毛の場合、ご利用期間が比較的短いことが多く、円形脱毛などの場合も、脱毛の経過などにかなり個人差があるため、短期間で治る場合もあるし、長引くときも、2~3年で「洗い替え」用に同じ製品をお求めになったり、2年後に「イメージチェンジしてみたい」、と違う製品をお求めになったりします。男性の場合、はじめは全頭かつらを使っていたけど、3年後に頭頂部の部分かつらをオーダーしていただいたりすることもあります。
かつらのフセでは、もう一つ重要なポイントとして、ショートスタイルをお選びになることをおすすめいたしております。「今のイメージを崩したくない」お気持ちはわかりますが、長毛はかつらでも手入れに手間がかかります。また、とくにロングヘアの方が再発毛してかつらを脱がれるときは、短いヘアスタイルになりますから、先にイメージチェンジするか、後でイメージチェンジするか、の違いになります。それでも、ロングスタイルをお買い求めになられることはありますが、しばらくお使いになってから、可能な限り短くカットして差し上げることもよくあります。
医療用をお買い求めになるときは、既製品、オーダー品にかかわらず、まずはご試着になって、似合うヘアスタイルで、毛長がなるべく短いもの。そして値段が手ごろで、サイズに余裕のあるものを選びましょう。その他個別のご要望についても、ご相談があれば、そのつどアドバイスしてまいります。
2016.4.23