ウィッグの寿命

Q.ウィッグは何年くらいもちますか?

A.個人差がありすぎて一概には答えられません。

ここでは、ウィッグの寿命を左右する要因をいくつか挙げていきたいと思います。          お一人おひとりのライフスタイルと目的に合ったウィッグにめぐり合う一助になれば幸いです。

①使用頻度                                                     たとえば、毎日お使われた商品と、一週間に一度だけ使われた商品とでは、傷み方に差が出ることは容易にご想像いただけると思います。直射日光に晒される時間にも差が出ます(人毛人工毛紫外線などの光線には弱いようです)。さらに装着時に、ブラッシングをする回数にも差が出ますし、裏のベースが頭皮や自毛と摩擦する回数も違います。人工毛製品の場合、静電気を起こしやすく、強いブラッシングを繰り返すことで、毛先の「縮れ」をひどくする場合があります。睡眠時も装着したままだと、ウィッグの毛が枕と頭の間で摩擦を起こします。ベースが大きい場合は、ベースも傷めます。                                           また、使用頻度に比例して、シャンプーの回数も増えます。シャンプーによって、人工物(人工皮膚やベースに用いられるポリウレタンやベースのコーティング剤、人工毛、縫製に使用する化繊糸など)に含まれる油分が失われるのを避けることはできません。                 使用頻度はウィッグの寿命を決める一大要素です。

②ライフスタイル                                               人によって、日常生活が異なるのは当たり前のことですが、例えば、仕事で帽子をかぶらなくてはならない、あるいはヘルメットをかぶらなくてはいけないという人は、頭と帽子などの間に摩擦が生じて、概してウィッグの毛が痛みやすいです。また、仕事柄汗をよくかき3日に一度ウィッグを洗うという人も痛みが早いものです。

③個人差                                                     これまで、私どもでお作りした製品を使用いただいたケースに限って申し上げれば、汗や皮脂など頭皮からの分泌物の性質によっては、ベースや人工皮膚府などに用いるポリウレタンなどの化学素材の劣化スピードを速めることがあるようです。あくまでも仮定ではありますが、頭皮の分泌物の性質自体、あるいはそれが異常に酸化するのかもしれません。(もっと早い事例もあるかもしれませんが)当店のお客様では、8か月使用された頃にベースが傷み、分け目の人工皮膚に植毛した人毛が脱毛し始めたことがあり、不良品扱いし、再作成しましたが、結果は同じでした。よく観察したところ、装着用の両面テープが貼ってあるところは全く傷んでおらず、先の仮説をたてました。次からはベースを布製のものにして人口皮膚に直接頭皮があたらないように設計しました。                                                     また、別のお客様は2年過ぎでベースの修理が必要となりましたが、ご要望に従い同じ規格でお作りした二つ目の製品は、4年たってもベースが傷んでいないのでお伺いすると「毎晩外した後に、ベースについた汗を拭きとるようにしたら劣化が遅いようだ」とのこと。やはり、こまめに手入れしていただくことは劣化スピードを抑制するようです

④薄毛・脱毛・白髪の進行速度                                          使用頻度に関わらず、部分かつらでもよく見られるのが、サイズが合わなくなってしまうことです。通常、時間の経過とともに薄毛、禿頭範囲は次第に広がってきます。つまり頭の薄毛部分に対してウィッグのベースの大きさが小さくなってしまうのです。                     また白髪の割合が自毛と極端に違ってくるとうまくフィットしなくなってきます。            しかし、これらのことはいつ急激に進むかなどということは、なかなか予測できません。

上記以外にも、ウィッグの寿命を決める要因はたくさんあります。

ウィッグの寿命も、ウィッグ選定の重要な要素ですから、職業、お買い求めになる目的、その経緯、現在お使いの製品のウィッグのシャンプー頻度なども、お客様にお許しいただける範囲内でお伺いしながら、専門店としてアドバイス、よりよいモノをお選びいただけるよう、努めていきたいと考えております。

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