どぉまき
テレビを見ていたら、
「感染性胃腸炎」のことを
島根では、
「チョーカンボー」という
と紹介されていた。
「チョーカンボー(腸感冒)」が
共通語だと思い込んでいた
ワタシにとっては、ある種の
カルチャーショック
衝撃的であった。
大学のとき、夏休みに、
出雲に遊びに来た友人の一人が、
9月に大学で再会すると、
お腹に湿疹を発していた。
それを見るなり、ワタシは「それって、『どぉまき』ぢゃぁないか?」と訊いた。
すると、友人たちは口をそろえて、「なんや、そら?」と目を丸くした。
ワタシが、「あの、胴体を一周すると死ぬとかいうヤツ、知らん?」って言うと、
みな、「はじめて聞くわぁ。それ、島根の風土病とちゃうかあ。」と笑ったが、
笑っていられないのは当人で、「エェーッ、オレ、そんなん貰うて帰ったン?」と、
その日、病院で診てもらった。
翌日、友人は、「ただの皮膚炎って言われたわぁ」と安心。
ワタシの方は、「どぉまき」が島根の風土病だったのかという思いが心配のタネになった。
後年、「どぉまき」の本名は、「帯状疱疹」とわかった。
風土病ではなかった。 (9月20日)