四里四方(出雲弁の思い出 その⑦)

どぉまき

テレビを見ていたら、

家の裏で見つけた『イナゴ』

家の裏で見つけた『イナゴ』

「感染性胃腸炎」のことを

島根では、

「チョーカンボー」という

と紹介されていた。

「チョーカンボー(腸感冒)」

共通語だと思い込んでいた

ワタシにとっては、ある種の

カルチャーショック

衝撃的であった。

 大学のとき、夏休みに、

出雲に遊びに来た友人の一人が、

9月に大学で再会すると、

お腹に湿疹を発していた。

 それを見るなり、ワタシは「それって、『どぉまき』ぢゃぁないか?」と訊いた。

すると、友人たちは口をそろえて、「なんや、そら?」と目を丸くした。

ワタシが、「あの、胴体を一周すると死ぬとかいうヤツ、知らん?」って言うと、

みな、「はじめて聞くわぁ。それ、島根の風土病とちゃうかあ。」と笑ったが、

笑っていられないのは当人で、「エェーッ、オレ、そんなん貰うて帰ったン?」と、

その日、病院で診てもらった。

翌日、友人は、「ただの皮膚炎って言われたわぁ」と安心。

ワタシの方は、どぉまき」が島根の風土病だったのかという思いが心配のタネになった。

 後年、「どぉまき」の本名は、「帯状疱疹」とわかった。

風土病ではなかった。 (9月20日)

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