四里四方(出雲弁の思い出 その⑥)

暗号みたいなこと言いよった

 今から30年近く前、姉が結婚した

アジウリ

裏の畑で勝手に出来た「アズ―リ」

翌年、義兄の運転で帰省し、

大阪へUターンする途中、

祖母の住む奥出雲の横田に寄った。

横田から高速道路に向かうのは

初めてで、土地不案内。

地元の人らしいオジサンを見つけ

道を間違えてないか確認。

義兄;「××に行きたいのだけど、

    この道でいいですか?」

オジサンの丁寧な答えを

姉も車の中で聞いていた。

「ありがとうございました」と

運転席に戻ってきた義兄の眉間にシワがよっていたので姉が「どうしたの」と聞くと、

義兄;「オッサン、暗号みたいなこと言いよったぁ。最初は『まっすぐ』ってゆうとったンになぁ」

 ; 「とにかくまっすぐ行けば分かるって言ってたでしょぉ」

義兄;「いや、『まっすぐ。三つ戻ってもわかるが、果てでも行ける』ってゆうとった」

 ;「ちがうわねぇ。『めつもいどってもわかーわねぇ(目をつむっていてもわかるくらい簡単だ)。 はてでもいかいわねぇ(這ってでも行けるぐらい近い)。 そろぉそろぉいくだわぁ(ゆっくり運転して行ったら間違えないよ)』って言ったんだわねぇ」

義兄;「なんや、あのオッサンいらんことばっかり言いよって、しまいには『そろそろ行け』って追っ払われたかと思ったわぁ。鎌ぁ持っとったしなぁ

大学時代、松江に住んでいた義兄だが、4年間ぐらいでは、

           弁初級者程度である。(9月13日)

 

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