脱毛、薄毛、その他の髪のトラブル、悩みに対しては、毛髪のことに携わるそれぞれの立場から、いろいろな対処策を講ずるものです。お医者さんは、医学的見地に立って医薬品を処方して、毛髪が再び生えるよう努力してくださることでしょう。毛髪学者は、化学的、あるいは理学的根拠に基づいて、ときには細胞レベルで方策を講じて下さるでしょう。
私どもは、仕事場で日々、獲得する情報(毛髪に関する書物や、ヘアケア商品を開発している業者の研究データ、お客様の体験談などから得た情報、お客様を観察したり頭皮を触ったりして得た情報)をもとに、ご相談をお聞きしたり、アドバイスをしています。
去年7月下旬にご来店いただいたお客様は、5月のある日に、突然抜け始め、3日で髪はほとんどなくなり、その後体毛も抜けてしまったそうで、まつ毛、眉毛も残り少なくなっていました。私たちにとっては、同じような経過、状況の方を何人も見てきていますが、ご本人やそのご家族にとっては初めてなので、ひどくショックされるものです。全頭が劇的に脱毛した人が、当店にも何人もおいでになっていること、時間をかけて治った人、子供のころから全頭禿頭だった方が、70歳になって生えてきたケースもあること、中には劇的に治った人もいらっしゃること、などをお話しすると、「少し安心した」とおっしゃっていただけました。9月に仕事の会議があり、かつらが欲しい、とのご希望でしたが、結論から言うと、「かつらは、いつでも既製品を在庫として用意していますので、もう少し様子を見ましょう」と提案し、当日は、育毛トニック、シャンプーをお買い求めいただきました。 私どもの経験からの見立ては、原因はわかりませんが、
①プログラム細胞死による脱毛、
②血行阻害による神経性脱毛、
③免疫疾患による脱毛、 の三つを考えました。 とくに①の可能性が高いと思うこと、まだ脱毛の最中であることを告げ、過去に効果のあったケア方法をお示しいたしました。③の可能性は低いと思いましたけど、「一応、診療所で、血液検査」して頂くように勧めましたが、こちらの方は、今、検査結果を待っているところだとのことでした。②については、とにかく、頭皮を清潔に保つことと、マッサージ方法を中心にお話いたしました。 なるべく早く治られることを期待して、お祈りいたします。
2016年4月20日