四里四方  (名品)

いしし

就職し、営業で外回りをするようになった頃、

いしし

いしし(手前) と 木の葉餅(右奥)

いつもの取引先で

朝のお茶とともに出されて、

いっぺんにファンになったお菓子である。

 

子供のころ、餡ものが大好きだった。

うすかわ饅頭、

おやき(いいつかのが旨い)、

酒饅頭(中央通りの大西屋はとくに好きだった)、

母が作るおはぎ、とにかく、小豆の匂いと味を

素朴にダイレクトに感じられるものがよかった。

成長するにつれ、餡ものから離れていったような気がする。

洋菓子が普及し、

スーパーでは大量のスナック菓子が幅を利かせ、

大阪にいるころは、和菓子と言えば、

高級なものを取り扱っている店ばかりが目立って、

餡ものを食べる機会は減る一方だったことに気づいた。

 

商品名「いしし」「石臼」の方言

石臼をイメージしたその形に由来する。

適度に練り上げられた餡とそれを包む生地のバランスは絶妙。

生地がおいしく焼きあがったときの餡の水分量を予め計算されているのか、

小豆のウマさを逃がさずに焼き上げるために生地があるのか、

抹茶にも、コーヒー、紅茶にも、番茶にもよく合う。

饅頭の包装まで、1個1個手作業で作られているから、なんだか嬉しい。

 小豆、餡にうるさい旧・雲南三郡の人にとくにウケがいい。

今も姫原町でご夫婦の手作り。 1個;105円の逸品だ。

 

 

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