「主人が円形脱毛症になったのですが・・・」
「友人に聞いてきました」と、40歳前後の女性が相談にいらっしゃいました。
なんでも、ご主人がひと月前から脱毛が始まり、円形脱毛症だから病院に行って診てもらえというのに、放置したまま。家族は気にしているのに本人が無頓着で、困っている。そろそろ散髪に行く時期なのに、理髪店に行くのも、シブっているので、今度ここへ散髪に連れてくるので、ついでに観てもらっていいか、ということでした。
力になれるかどうかはわかりませんが、と前置きしたうえで、「当方にとっても勉強になるので、 ぜひ、いらしてください」と答え、後日、ご来店になりました。
その日、奥さんに連れてこられたご主人を一見、神経性脱毛と決めつけてはいけないケースかもしれないと思いました。ワタシの判断の視点が間違っているといけないので、私の経験に基づく着目点をここで記すことは避けますが、他の要件・・・①脱毛が円形ではなく頭全体が平均して薄くなっている、②頭皮がフケが異常に多く急激な粃糠性脱毛になった時のようである、などです。
そこで、わたしが感じたことと処置法を次のように伝えました。
「軽い神経性脱毛かもしれませんが、念のため、まず病院に行って、血液検査してもらってください。免疫疾患の可能性もあります。もしそうなら、それなりに医療行為を受ける必要があります。免疫疾患でなかったら、それから考えましょう。」
数日後、奥さんが来店され、ご主人が免疫疾患だったことを伝えられました。
別項でもお話ししようと思いますが、脱毛のこと、発毛のこと、つまり髪のことはよくわかっていないのです。人間の体のことも、「毎年たくさんの新発見があるということは、ウラを返せばまだほとんどわかっていないということだ」とある医学者が言っていたのを思い出します。ただ単純に、急に抜けたから神経性脱毛だ、原因は精神的ストレスだ、ストレス解消をすればよいという具合にはいきません。病院に行く勇気がなければ、いつもの散髪屋さんに聞いてみることも大事だと考えます。