鰐淵寺は訪れるたびに違う姿で出迎えてくれる。
きっと、深山の中に溶け込んでいるからなのだろう。
季節の移ろいが感じられる。
私は、特に若葉の季節が似合うと思っている。
根本堂の左側の空き地を通り過ぎると、
摩陀羅神社がある。
摩陀羅神を祀っている。
スサノオ神の遺骨が納められてあると聞いたこともある。
なぜ、「お寺に神社が、」と思って、
調べてみると、
摩陀羅神は、天台宗の守護神なのだそうだ。
摩陀羅神について、
深く掘り下げて調べてみるのも面白いが、
ここでは、軽く触れるに留める。
摩陀羅神社の傍らには、大きな杉の木が三本並んであり、私は、その大きさに圧倒されるばかりだが、
これに強い霊力を感じる人もいるのだとか。
たしかに、目の当たりにすると、
その生命力を感じ、圧倒される。
「人の領域は、里山まで。
奥山、深山は、動物や目に見えぬモノたちの領域」であると、
古くは、日本人もそう考えて、謙虚に暮らしてきたのだろう。
此処の寺社は、深山に融合するように佇み、
自然の力の前に、人間の無力さを再認識させてくれるようである。
2時間3時間、なるべく長時間滞在すれば、
自分自身も大自然の一部であると思えるようになる。
もっと言えば、ふもとのあたりから、
できるだけ長い距離を歩いて、
参拝するのが良いのだろうとも思う。
いづれにせよ、歩きやすい身支度で、向かうべきである。
令和8年6月
かつらのフセ





