新型コロナウィルス・・・今、できること、やっていること

②消毒については、われわれ理容師は、仕事の中で常に行っていることではありますが、 私たちが得た知識をできるだけ共有できたら良いなぁ、 と思います。

 

手洗いについて

手洗いは消毒の基本であり、最高の消毒法です。

以前、私が利用の仕事を始めたころのことです。ちょうどそのころ特に問題になっていたエイズウィルス・B型肝炎ウィルスの消毒法を調べていましたが、理容店内で簡単にできる消毒法は見つからず、剃刀などお客様の皮膚に直接触れた刃物は、湯沸かし器のお湯を出しっぱなしにして目の細かいスポンジで剃刀の表面を拭うようにして流水洗浄をしていました。なにかもっと良い消毒方法はないものかと思って、親友の医師に「エイズウィルスやB型肝炎ウィルスなんかを殺菌するのにどうしたら良いか、知らんか」と聞いたところ、「実験じゃぁないんだから、流水洗浄が一番確実だなぁ。おれたち医者も流水洗浄してるよ」と教えてくれました。以来、確信をもって、流水洗浄を行ってます。手洗いに関して言えば、ウィルスには、石鹸を使うことが効果的だとも聞いています。

アルコール消毒について

お客様で医師のA先生にうかがった話です。「コロナのような感染症が流行している時期には、アルコール消毒をしっかりやるんですよ。本当は、手洗いが一番良いんですけどね、ほら、外科のお医者さんが手術前にしっかり手洗いしておられるでしょう。手洗いが大事な証拠です。コロナウィルスやインフルエンザウィルスはね、細胞の一番外側にエンベロープっていう脂の膜があって、これを壊して無毒化してやるのにアルコールが有効なんです。患者が多い時は、手が荒れてどうしようかと思ってたんですけど、しだいに外来の患者さんが少なくなって、病院経営の方は大変だけど、手は荒れなくなって…」。アルコールにはエンベロープを壊し、無毒化するという、即効性・確実性があるということです。私たちも、例年、インフルエンザの流行で近くの小学校が学級閉鎖したとか、市内のお医者さんから「インフルエンザが流行してますよ」などと聞くと、エタノールで椅子やドアノブの消毒をすることにしていて、おおよそ一週間程度でおさまっていたのですが、このたびのコロナでは、一か月経っても収まらず、手が荒れかけて、「これでは本末転倒、裂傷から感染症に罹ったらまずい」と思い、消毒液を次亜塩素酸水に切り替えました。(利用器具類には、日本薬局方のエタノールを、その他のモノには、食器類にも安全と表示のあるのエタノール67.89%の消毒液を使用しています。)

次亜塩素酸水について

次亜塩素酸水は、コロナウィルスに対する効果が、当初疑問視され、のちに「80ppm以上」の濃度なら、2分程度で無毒化すると言われるようになった。私がエタノールに替えて次亜塩素酸水を頻用するようにしたのは、今年の2月からで、「コロナウィルスへの効果が期待できる」程度の認識だったし、今でも「期待できる程度だが、手荒れは避けたいから、…次亜塩素酸水を使うのだ」と考えて使っています。

お客様の接触があったと思われる椅子、テーブル、ドアノブや施術中に使用したワゴンなどは次亜塩素酸水で消毒、トイレ、紙幣、また外出先での消毒には、エタノールを使用しています。硬貨は台所用洗剤を用いて洗浄しています。当初、ドアノブや椅子にもエタノールを使っていましたが、コーティングが剥げるのか、変色し始めました。(次亜塩素酸水も多量に噴霧しているせいか、利用椅子の電動機能の調子が悪くなってきました。)医療現場で言われる「空間消毒」とは違いますが、空間衛生的にミスト発生器も使っています。

*自宅では、このほか、イソジンも所持しています。大阪府知事の発言に一部世論が反発しましたが、私は、3月頃に、エタノールが手に入れにくくなり、食品のパッケージの消毒にイソジンが使えるかもしれないと思い、5本ほど買いました。ポビドンヨードは15倍希釈液60秒でSARSウィルスを殺菌できると、説明書に書いてあったことを思い出したからです。食品のパッケージにまで消毒するのは、過剰なことと言われそうですが、緊急事態宣言下でも休業要請の対象にもならず、営業できたので、せめて、できることはやっておこうと思いやり始めました。忙しい時などは、次亜塩素酸水を利用したりしますが、イソジン消毒液を作り専用タオルに含ませ、軽く絞って、食品パッケージを拭いてもそんなに時間がかかりません。

イソジンでのウガイについては、結構殺菌効果があるので、口の中の常在菌までいなくしてしまうと注意喚起される点や、甲状腺に対する影響の点から、常用することは、避けようと思っていますが、上手な使い方がきっとあるはずです。また、大阪府知事が言われたのも、「上手に利用すれば、感染防止の期待ができる」ということで、厚労省が「インフルエンザワクチンを接種すれば、インフルエンザの重症化防止効果が期待できる」と言っているのと同じことです。一般の人が批判するならともかく、厚労省が、「データがないことを行政がいうのは・・・」なんて言える立場じゃない気がします。

それと、エタノールの使い方ですが、手指消毒なら、脱脂綿を小さくカットし密閉容器に入れてエタノールに浸したものをしっかり密閉しその脱脂綿を手でもむようにすると、無駄なく消毒できます。2月にドラッグストアでエタノールを買い占める人を見かけましたが、普段消毒をしてない人が、どのくらい使うのかわからず、たくさん買われるのだろうな、と思って見ていました。

情報が氾濫し、どれが正解かはわからなくなった気がしますが、元々ウィルスの世代交代は非常に速く、情報は刻々と変化していたのです。どれも100%間違いではなく、ある程度正解に近いものだと思うので、批判的にならず、また、疑心暗鬼にならず、専門家の情報を参考に、自分なりに消毒・衛生に取り組むことが大切だと思います。お客さんたちとの会話から、ほとんどの方が当初は、「手洗い」を馬鹿にしていたように感じましただいりゅうこうしていない。でも、「今年、インフルエンザなどが今のところ大流行していないのは、手洗いのおかげじゃないでしょうか」とお話しすると、皆さん納得なさいます。ちょっとしたことでも、続けることが大切です。

 

カテゴリー: れもん色   個別表示

コメントは受け付けていません。