かつらのシャンプー

Q.かつらをシャンプーすると毛がもつれます。                                            どうすればいいのでしょうか?

A.「もつれ」の原因を一つに特定することはできません。

数年に一度、この質問を受けます。最近では、今年(‘12年)3月頃、他社製品をご使用の方からの電話でのお問い合わせだったと思います。ここでは、いくつかの「もつれ」の要因を掲げて、その対策を少しお話いたします。

人工毛・混毛の場合                                                ①静電気により毛先に縮れが発生している。                                     ②静電気によりなどが付着している。                                       ③ひどい汚れ、及び、汚れ(とくに整髪料など粘性を有するモノ)に付着している埃などがしっかりと落ちていない。

人毛の場合                                                  ④ひどい汚れ、及び、汚れ(とくに整髪料など粘性を有するモノ)に付着している埃などがしっかりと落ちていない。                                               ⑤シャンプー剤に原因がある。                                       ⑥水質に原因がある。

①の対策としては、なるべく静電気が起きないようにすることが第一であることは明白ですが、 静電気防止スプレーの使用や、初期段階でお買い上げになった専門店にご相談いただくことが大事であると考えます。現物をお見せいただければ、可能な範囲でストレッチ(施術実例 ご参照ください)などの処置を考え、アドバイスします。また、ストレッチ処理してみると、ほとんどの場合において、複合的に②の状態を伴っています。セーターやタオルのモノと思われる長い繊維、その他の細かい繊維がもつれの間から出てきます。度を超えたブラッシングはよくありませんが、ご使用後の手入れは効果的だと思います。

③④の対策は、まず、人工毛製品には、固まるタイプのヘアスプレーなど整髪料を使わないこと、人毛製品についても整髪料の使い過ぎ、繰り返しの使用を避け、固めすぎないことです。万一、固まりすぎた状態であれば、ブラッシングは毛を抜いたり、引っ張ったりするだけなので、  シャンプー前にはしません。漬け置き洗いをしっかり、繰り返し行うしかありませんが、ひどいときには、やはり専門店にご相談いただいた方が安心です。

⑤は、滅多にありませんが、洗剤落ちが悪いシャンプーをご使用の場合、洗うたびに、残留物が蓄積されて起こるように思います。

⑥は、同じ水源の水でも、地域差があるようで、水道管から滲み出す金属質なども影響しているのでは、と想像するのです。ご存じない方も多いようですが、いわゆる石鹸カスは、石鹸成分と水の中に含まれる金属が化合してできる「金属石鹸」というモノです。ワタシも昔、銭湯などで石鹸で頭を洗い、髪がきしむ感じがすると、「石鹸は脂をよく落として気持ちいい」といったものですが、実は金属石鹸が髪に付着して、ガサガサしていただけだったのです。ですから、対策としては、ⅰ)軟水器を取りつける、ⅱ)シャンプーを酸性のものにする、ⅲ)洗剤を除去してくれるリンスなどを施す、などがあげられますが、まずはⅱ)、シャンプーを変えてみるのが手っ取り早いと思います。

加えて、人毛に関しては、人工毛と違って、水分を吸収する性質がありますので、濡れた状態で「もつれ」をほどこうとしないことです。なぜなら、濡れている状態では膨潤していてほどけにくく、また、結び目がより固まることになりかねません。よく乾かしてからブラッシングすることをお奨めします。また、ぬるま湯を使わず、水で洗うともつれにくくなったという、お客さまもいらっしゃいました。人毛製品をお使いで、どうしても、もつれるという方は、次回は、混毛製品をお作りいただくこともお考えください。(8月3日)

カテゴリー: 髪にまつわるエピソード   個別表示

コメントは受け付けていません。