暗号みたいなこと言いよった
今から30年近く前、姉が結婚した
翌年、義兄の運転で帰省し、
大阪へUターンする途中、
祖母の住む奥出雲の横田に寄った。
横田から高速道路に向かうのは
初めてで、土地不案内。
地元の人らしいオジサンを見つけ
道を間違えてないか確認。
義兄;「××に行きたいのだけど、
この道でいいですか?」
オジサンの丁寧な答えを
姉も車の中で聞いていた。
「ありがとうございました」と
運転席に戻ってきた義兄の眉間にシワがよっていたので姉が「どうしたの」と聞くと、
義兄;「オッサン、暗号みたいなこと言いよったぁ。最初は『まっすぐ』ってゆうとったンになぁ」
姉; 「とにかくまっすぐ行けば分かるって言ってたでしょぉ」
義兄;「いや、『まっすぐ。三つ戻ってもわかるが、果てでも行ける』ってゆうとった」
姉;「ちがうわねぇ。『めつもいどってもわかーわねぇ(目をつむっていてもわかるくらい簡単だ)。 はてでもいかいわねぇ(這ってでも行けるぐらい近い)。 そろぉそろぉいくだわぁ(ゆっくり運転して行ったら間違えないよ)』って言ったんだわねぇ」
義兄;「なんや、あのオッサンいらんことばっかり言いよって、しまいには『そろそろ行け』って追っ払われたかと思ったわぁ。鎌ぁ持っとったしなぁ」
大学時代、松江に住んでいた義兄だが、4年間ぐらいでは、
出雲弁初級者程度である。(9月13日)